2021年

あけましておめでとうございます。

80年代に映画やアニメで描かれていた輝かしい未来-2021年をこのような状況で迎えることになるとは想像もしていませんでしたが、このパンデミックの世界においても日常は続き、目の前の現実と戦っていかなければなりません。

昨年は新型コロナウイルスの流行によって先行きが見えず、不安な時期もありましたが、人々がこの状況に適応しながら力強く日常を取り戻していく中で、私自身もこれまでと同じように業務に取り組むことができました。

人々の暮らしがあって、自分の暮らしがある。そのことをより強く実感した一年でした。

このような状況が続く限り、一層インターネットにかける期待は大きくなります。インターネットの活用でこの困難に立ち向かっていけるよう、これからもみなさまのお仕事のお手伝いをさせていただければと思います。

本年もnodeをよろしくお願いいたします。

徳山駅前広場イルミネーション

昨年末、周南市の冬の風物詩「周南冬のツリーまつり」の一環として、JR徳山駅の駅前広場一帯で実施されたクリスマスイルミネーションのディレクションを担当しました。


【事のはじまり】

新しくなったJR徳山駅で「周南冬のツリーまつり」に連動したイルミネーションを行う計画は一昨年からありました。

その時にはプラン作成と設備利用についての検討のみを行い、最終的には実現しなかったのですが、2019年の夏に差し掛かると、徳山商工会議所からあらためてJR徳山駅でのイルミネーションの企画立案のご依頼をいただき、今回は新しく整備される駅前広場の完成のお祝いとして大規模なイルミネーションを実施するという方向で検討が始まりました。


【企画立案】

企画立案にあたり、従来の「周南冬のツリーまつり」とは趣が異なる新しいイルミネーションを実現したいと考え、全国各地で先進的なイルミネーションの施工実績がある宇部市のブルーウェーブテクノロジーズ株式会社の坂本社長をご紹介いただき、企画立案にご参加いただきました。

企画の検討に入ると、クリスマスまでに新しいイルミネーションを開発するには、夏のスタートではタイミング遅すぎるという意見が出てきたので、新しいものを開発するのではなくブルーウェーブテクノロジーズ社がこれまでに実施したイルミネーションの中から徳山駅前広場の設備や形状を活かせるものを選び、それをベースに企画の検討を始めました。

まず、今回のイルミネーションのハイライトとして、駅前広場の中心にある水盤(噴水)をステージとして捉え、水盤上に等間隔に並べた無数のろうそく状のフルカラーLEDをひとつずつ制御することで、全体がひとつのディスプレイとして映像を映し出し、音楽と組み合わせて光のショーを上演できるような構成を検討しました。

また、水盤内の通路を市民が自由に通行できるようにすることで、ただ見るだけではなくイルミネーションの中に入り込んでいけるような没入感のある構成を心掛けました。

駅の改札を出て駅前広場に入り水盤内の通路を通り過ぎるとバス乗り場へのゲートがあります。このゲートには、3×4mの巨大なLEDスクリーン(マトリックスボード)を設置し、このイルミネーションのメインスポンサーであるボートレース徳山様のイベントの告知と光のショーに連動したアニメーションを投影できるようにしました。

さらに、駅から水盤を通ってゲートまでのひとつのイルミネーションの構成を中心として、周辺にあるシェルターの柱や梁、植栽などにゴールドのLEDを巻き付けることで、駅前広場全体がイルミネーションで包み込まれるような構成にしました。


【施工】

クリスマスシーズン前のタイトなスケジュールの中、11月の後半からブルーウェーブテクノロジーズ社のスタッフが駅前広場に入り、まず水盤内の施工から作業を開始しました。会場となる駅前広場は、市民が歩行する市道という面もあり、往来の安全や景観の保全などの観点から、電線の配線についての制限が多く、使用可能なコンセントから最短経路での配線を心がける必要がありましたが、一部、路面上に配線を行わざるをえない箇所があり、通行規制や配線のカバーなどで安全に通行できるように施工を行いました。

また、水盤内では、LEDと配線が水中に沈む構成になったため、漏電等の問題が起きないように配線の安全対策を徹底しました。

ゲートに設置したマトリックスボードは、ゴム製のネットのような形状の土台にLEDが埋め込まれていますが、非常に軽くて風も通す構造になっているため、仮設のパブリックディスプレイとしては非常に安全性が高く、設置コストの面でも利点があったと思います。

今回のイルミネーションでは、主に、(1)水盤上、(2)シェルター巻き付け、(3)マトリックスボードの3ヶ所への映像送出を同期させる構成になっていてそれぞれが物理的に離れた位置にあったためできるだけ無線での通信を検討しましたが、様々な問題により有線での通信に変更することとなり、目立たない場所にLANケーブルを30m以上配線して有線での映像送出を行いました。

光のショーは、クリスマスシーズンに合う4曲を選定し、その曲に合わせて現地で夜通しでプログラムの打ち込みを行い、本公開までに4つの素晴らしい光のショーが完成しました。


【点灯開始】

 

2019年の「周南冬のツリーまつり」は、11月13日の点灯開始に合わせて、駅前広場のイルミネーションも部分点灯し、12月7日より本公開を行い、光のショーが上演が開始されました。ショーは、30分間隔で1日に2回ずつ全部で8回自動で上演する運用となりました。

このイルミネーションは年明けすぐの撤去を予定しておりましたが、成人の日まで延長して展示することになり、帰省客と新成人にも楽しんでいただくことができたと思います。

今回設置したイルミネーション器具や設備については、撤去後も保管・管理し、次年度以降も再利用できるようにすることで、毎年規模が拡大できるような運用を想定しています。


【さいごに】

今回、「周南冬のツリーまつり」に関わらせていただき、このイベントが今でも市内外の多くの人々から認知されていて、会場にはたくさんの市民が、特に若者の姿が多く見受けられ、ポテンシャルのあるイベントであると再認識させられるとともに、ここに参加して新しいイルミネーションを皆様に見ていただくことができたことを大変うれしく思います。

インタラクティブボルダリング

2017年5月4日に光市室積で開催されたミタフェスにて、ボルダリングジムJappaaanの室内企画としてインタラクティブなボルダリングを体験できるアトラクションを展示しました。

Jappaaan代表の三由さんとのコラボレーションで制作されたこのアトラクションは、仮想の火をつけられるたいまつを使ったおそらく世界初のインタラクティブクライミングゲームです。

 

まず床に置かれたたいまつを拾い上げて火種から火をつけます。

片手にたいまつを持ちながら壁を上るのは結構難しいのですが、クライミングに必要な3点で登る感覚を身に付けるのにとても良いらしいです。

ウォールの青いブロックは水という設定で、たいまつが触れると火が消えるようになっています。

水をよけながら火を運んで、4m近くの高さにある2つの聖火台に制限時間内に火を付けるとクリアです。

今回の構成は、高さ4mのクライミングウォールに映像を投影するため、ウォールから4.5mほどの天井近くにプロジェクターを取り付けて、床置きで約2mの高さにKinectを設置しています。

たいまつは、Kinectの赤外線センサーでたいまつに巻き付けられた反射テープの位置を解析して座標を取得しています。

4m四方の範囲をKinectで解析するためには、ウォールから3.5m程度の距離を取る必要があるのですが、距離が離れると赤外線画像に映るたいまつが小さくなり、位置の取得が難しくなってしまいますので、OpenCVでたいまつを拡大する処理を行って、できるだけ位置をロストしないようにしています。

当日は、子どもを中心に2人組で協力してプレーしてもらいましたが、とても盛り上がってよかったです。

初心者の子どもでも、普段なら怖くて登れないような高さに登ってしまうほどゲームに熱中してくれました。

時間が経つにつれて、たいまつの反応が悪くなるという課題も見つかりましたが、それも改善しつつ、ぜひまた展示させていただきたいと思っています。

およげ!ふしぎのビーチでたからさがし

4/2・4/2の2日間、周南市のKRYハウジングサイトにて、新作のデジタルアトラクション「およげ!ふしぎのビーチでたからさがし」を展示してきました。

「およげ!ふしぎのビーチでたからさがし」は、今後展開していくデジタルアトラクションシリーズの第一弾で、子どもたちが大好きなボールプールとインタラクティブアートを組み合わせたものです。

4,000個の白いボールで満たされたボールプールに映し出した美しいサンゴの海の中を自由に泳ぎ回る色とりどりの魚たちと一緒に、泳いだり、潜ったりして遊ぶことができます。

 

海の中を泳ぎ回る魚たちは、人の近くに来ると向きを変えたり、「魔法のお皿」の中に集めるたりすることができます。

これらの機能は、前作の「Cone of Light」で得られた技術を活かし、Kinectで得られる深度情報や赤外線画像を元に、OpenCVで画像解析を行いながら、リアルタイムで映像を出力しています。

「たからさがしタイム」では、海底から現れる謎の宝箱を「魔法のお皿」を使って開けることができるなど、ゲーム要素も取り入れながら、子どもたちがより楽しい時間を過ごせるよう工夫しています。

また、より多くのイベント会場で導入していただけるように、センサーやプロジェクター、スピーカーを上部に設置するための鉄製構造物を製作しました。

会場の天井の高さが3m以上で広さが4m×6m程度の屋内であれば、会場設備に手を加えることなく2時間程度で設置可能で、撤去も1時間程度しかかかりません。

「およげ!ふしぎのビーチでたからさがし」を含むデジタルアトラクションシリーズは、1日からご提供いたしますので、興味のある方はぜひnodeまでお問い合わせください。

夢色アサンブラ

 

シティケーブル周南の番組「夢色アサンブラ」に出演させていただきました。
高下先生、CCS田中さん、とても良いインタビューにしていただきありがとうございました。

Cone of Light

12月2日から25日までの金土日限定で「Cone of Light」を展示してきました。

「Cone of Light」は、ツリー型透過スクリーンを空中に設置して、真上からプロジェクターで、オーディオに反応する映像をツリーに投影すると同時に床面に映したオブジェクトを踏んで遊べるデジタルインスタレーションです。

ツリー型スクリーンは、八角錐状の鉄製のフレームの内側に8cm幅にカットした透過スクリーンを張り巡らせたものを制作しました。

投影する映像は、Unityで制作したアプリからリアルタイムに出力していて、投影領域の中央部分はツリーに投影するための、時間とともに色が移り変わる円形の映像で、その外側はランダムに出力した無数のオブジェクトが画面内を移動するようになっており、その上を歩く人の位置によってオブジェクトが消せる仕組みになっています。

 

今回、Kinectを初めて使ったのですが、UnityからKinectを直接扱える公式アセット(公式アセットに含まれるサンプルコードが有能)を利用して、深度データを使うことにしました。

取得した深度データをフレームごとにグレースケールの画像に変換し、二値化やノイズ除去、輪郭抽出など位置測定の基本的な処理をOpenCVを使って実装しています。UnityでOpenCVを使う方法はいくつかありますが、OpenCV for Unityという有料のアセットがあったのでそれを使いました。このアセットは、Unityで直接扱えるようにOpenCVをC#で記述することはできますが、ドキュメントが本家を参照するようになっていて、それがC++のドキュメントだったので、書き直しに意外と手間取らせられました。

一定以下のサイズの影はノイズとしてフィルタリングしていますが、その結果、小さい子供を認識しないという問題があり、今後の課題となりそうです。

今回の展示では様々な年齢層の方にお越しいただきましたが、中でも小学生以下のお子様には長時間遊んでいただけたのがとてもうれしい反応でした。

結果としては商業施設でインタラクティブアートを展示することの効果を自分も含めて関係者の方々に実感していただいたことが一番大きな成果ではないかと思います。

未来の海の運動会

 

7月31日、阿知須のきらら浜にて開催された「未来の海の運動会」に、YCAMチームのお手伝いとして参加してきました。

今回担当したのは、YCAMが「未来の山口の運動会」のために開発した「YCAMボール」を、民間利用を想定したアプリとしてリビルドすることです。

「YCAMボール」は、振動をカウントするアプリをインストールしたiPodを特製のビーチボールの中に仕込んだもので、各ボールのカウントをリアルタイムでホストに送ってカウントを競い合うことができるものです。

本家「YCAMボール」は、アプリがoF、ホスト側はMAXで作られており、OSCで通信する仕様でしたが、今回は「YCAMボール」を民間での利用を想定して作り直すということで、いろいろと試行錯誤を重ねた結果、AppStoreからアプリをダウンロードすれば手元のiPhoneだけで簡単に遊べるのがベストかなと思い、クライアント/ホストをひとつのアプリで運用できて、ネットワークを通じてお互いにデータを送り合うアプリを開発するには、ネットワークゲームの実装も可能なUnityで開発するのがよいと判断しました。

この民間向け「YCAMボール」では、同じアプリの中で、ホストにしたiPhoneはスコアを表示する画面とゲーム進行の管理できて、ディスプレイに映像を出力すれば本家と同じようにリアルタイムでカウントを表示することもできますし、クライアントにしたiPhoneは、状況に応じてクライアントを2〜8台くらいの幅で増減できるようにしたいと考えています。

この民間向けの「YCAMボール」アプリは、「YCAMボール」専用ビーチボールを用意してもらえば、簡単に遊んでもらえるような仕様を考えていますので、今後一般公開することができればぜひ遊んでいただきたいと思います。

民間向けの「YCAMボール」は、運用の手軽さを重視して制作しましたが、今回の「未来の海の運動会」は、割と大掛かりなイベントで、システムの問題で競技が止まるという悲惨な状態はできるだけ避けたかったので、ホスト用のアプリは別に作ってホストをノートPCで運用することにしました。

また、Wifiのローカルネットワーク内で運用するのですが、参加者や一般の公園利用者がWifiを使うことも多く、周波数帯が混雑するとゲームの進行に支障をきたすことも懸念されたのですが、そこは経験豊富なYCAMチームが機材のセットアップや電波状況の監視を行ってくれたため、とてもスムーズに運用することができました。

本番当日は、雲ひとつない晴天に恵まれましたが、この真夏の暑さでボールの中のiPodが高温になり止まってしまうものもあったため、急遽、4個の「YCAMボール」を2組用意して、状況に応じて入れ替えることができるよう準備するなど慌てるところもありましたが、簡単にクライアントを入れ替えることができる仕様だったので、そこは本当に良かったと思います。

実際の競技の中では、使用された時間が短かったので、幸い本番中には問題が起きませんでしたが、屋外で機器を扱う場合には自然環境も十分想定して準備することが大事だと改めて感じさせられました。

今回の「未来の海の運動会」では、「YCAMボール」が2つの競技で使用されて、この競技を自分たちで考えた子供たちもとても楽しそうに遊んでくれていたので、このイベントを手伝うことができてほんとうに良かったです。

今後も子供たちが喜んでくれるような仕組みをたくさん作って、山口をもっと面白くできたらと思っています。

Yamaguchi Mini Maker Faire 2015

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9月19日・20日に山口情報芸術センター(YCAM)で開催されたYamaguchi Mini Maker Faire 2015に、ONIGIRIというチームで出展してきました。

今回出展した「HANDWAVE」は、手の動きで映像の動きと音楽をコントロールすることができる作品です。

手の動きや指の数を検知するセンサーには、前から使ってみたかったLeap Motionを採用しました。

疑似立体ホログラムの元となる映像は、Unityで3Dのオブジェクトを作って4方向に配置したカメラの映像を1画面で表示させています。

床に置いたプロジェクターから目線の高さに水平に設置したスクリーンに向けて真上に映像を投影すると、リアプロジェクションされた映像がスクリーンの上に置かれた逆さピラミッド型のアクリル板に反射して垂直に見えることで疑似360°立体ホログラムを実現しています。

音楽は、Leap Motionで読み取った手の動きに合わせて、Unityの中に組み込んだシーケンサーで音源を切り替えて再生しています。

 

実際に操作してみると手や指の動きを正しく認識させるの苦戦したので少し心配だったのですが、当日はお子さんからお年寄りの方までたくさんの人に遊んでいただき、たくさんの笑顔を見せていただくことができました。

これを励みに新しい作品に取り組んでいきたいと思います。

YAMAGUCHI MINI MAKER FAIREに出展します

empathyhouse

 

YCAM開館10周年を記念して行われる「YAMAGUCHI MINI MAKER FAIRE」に共同で出展します。

EMPATHY HOUSE
他人の目線に入り込み「OUT OF BODY EXPERIENCE(体外離脱感)」を味わう小空間。
大人が一人入ることのできる小さな家「EMPATHY HOUSE(共感の家)」。そこには、AVATAR(分身)たちの主観的映像がネットを介した生中継によって映し出されています。この小空間に入ったSUBJECTER(被験者)は、映像に包まれてAVATARと共感(EMPATHY)し、マスメディアともチャットとも異なった不思議な「体外離脱感」を味わうことになるでしょう。

 

日時 2013年8月10日(土) 12:00〜18:00

2013年8月11日(日) 10:00〜18:00
会場 山口情報芸術センター[YCAM]スタジオA、山口市中央公園
入場 無料

Hello world!

本日、2013年3月1日より「node」になりました。
今後は、生まれ育った周南市を中心にウェブデザインをやっていきたいと思います。
周南市のみなさん、こんにちは。どうぞよろしく。